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COEでの主な研究内容 組織・骨髄幹細胞から筋・神経系細胞への分化誘導システムの開発
研究代表者 祖父江 憲治(教授)
所属 大阪大学大学院医学系研究科未来医療開発専攻組織再生医学講座神経細胞医科学領域
キーワード 血管平滑筋細胞、骨格筋細胞、心筋細胞、神経細胞、組織・骨髄幹細胞
T 組織・骨髄幹細胞より筋・神経系細胞への分化誘導システムの開発
U 筋・神経系細胞分化を決定するシグナル伝達と遺伝子発現機構の研究
V シナプス可塑性の分子制御機構
 T 組織・骨髄幹細胞より筋・神経系細胞への
                          分化誘導システムの開発
 組織及び骨髄幹細胞から骨格筋・心筋・血管平滑筋細胞などの筋系細胞と神経系細胞への分化誘導システムの開発を目指しています。筋ジストロフィー・心筋梗塞・閉塞性血管障害など筋系細胞に起因する重篤な疾患と脊髄損傷・神経因性膀胱など末梢性神経疾患に対して、その各々に対応する細胞移植による治療法の開発は、緊急かつ重要な研究課題として期待されています。
 殊に自己の幹細胞による移植法は、免疫学的障害を克服出来る最善の手段です。しかしながら、現状では幹細胞が多分化能を示すゆえに、目的とする一方向への細胞分化に限定することは困難です。
 我々は本研究でこの問題にチャレンジし、筋および神経系細胞分化誘導システムの開発を目的としています。本研究では、分化細胞を一旦幼若化させ、再び本来の細胞あるいは異なった系列の細胞へと分化誘導するシステムの開発も併せて行います。
 例えば、筋管(分化した骨格筋細胞が融合して成熟した筋管を形成し、筋力発生の最小単位となる筋線維)を幼若化させ、細胞増殖を促進して充分量の細胞数を獲得した後、骨格筋・心筋・血管平滑筋細胞や神経細胞へと再分化を誘導するシステムの開発を行います。
 本システムの開発は上記細胞系列のみならず、他系列の細胞分化への応用も期待され、再生医療への寄与も高いと考えられます。
 U 筋・神経系細胞分化を決定するシグナル伝達と
                           遺伝子発現機構の研究
 我々はこれまで、筋系細胞、殊に血管平滑筋細胞と骨格筋細胞の細胞内シグナルとその下流の遺伝子発現装置(転写装置)の研究を行ってきました。
本研究1.の「組織・骨髄幹細胞より筋・神経系細胞への分化誘導システムの開発」はかかる研究成果と経験の上に企図・立案したものです。
 そこでここでは、筋・神経系細胞分化を決定する細胞内シグナル伝達系と遺伝子発現制御機構の解明を目指します。殊に、筋系細胞分化についてPI3キナーゼ/PKB系の関与とその下流のホメオ転写因子・SRF・GATA転写因子による転写装置との関連、血管平滑筋・心筋細胞分化のマスター遺伝子の検索などの研究を行う予定です。
 V シナプス可塑性の分子制御機構
 シナプスは、神経細胞間の情報伝達を担うべく特殊化した接着装置です。シナプスの形成および一担形成されたシナプスは、神経活動に依存した可塑性(形成・退縮とダイナミクス)を示します。
 我々は、シナプスを形成する一連の主要構成蛋白質(PSD蛋白質)を検索してきました。そこで、これらPSD蛋白質群のシナプス可塑性における役割と制御機構を追究し、制御系破綻による精神・神経疾患の病因解明を目指します。
祖父江 憲治 の研究活動
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