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詳細報告
未来医療シンポジウム(第3回未来医療交流会)報告
明石研究室 特任助手 松崎典弥
 2005年11月2日、吹田キャンパス内銀杏会館3階 阪急三和ホールにて「未来医療シンポジウム−トランスレーショナルリサーチの現状と未来−」が第3回未来医療交流会と共催で開催されました。本シンポジウムは大阪大学「未来医療交流会」および大阪商工会議所「次世代医療システム産業化フォーラム」の主催により、21世紀COE「細胞・組織の統合制御に向けた総合拠点形成」、阪大フロンティア研究機構、近畿経済産業局、近畿バイオインダストリー振興会議、大阪医薬品協会、国際文化公園都市株式会社の後援のもとで行われました。

 シンポジウムの前に未来医療センターの見学会が行われ、実際にヒト細胞を取り扱うセルプロセッシングセンター(CPC)の概要説明および外部からの見学や、手術支援ロボット、共同実験室など普段目にすることのできない先進医療現場の見学であったことから、参加者から多数の質問がありました。

 シンポジウムでは、まず医学部附属病院医療情報部 武田 裕 教授が「大阪大学医学部附属病院産学連携の取り組み」についてご講演されました。大学病院のメリットとして臨床現場に多くの専門医療従事者や高度な診断・治療設備を有していることをあげ、企業や大学に対して前臨床試験(Early Phase)の“場”を提供することが産学連携の重要な役割を果たすことになる、と大学病院の全国初の新しい産学連携に対する取り組みについてお話いただきました。

 次に、大学院工学研究科 明石 満 教授が「大阪大学医工連携の取り組み」についてご講演されました。大阪大学の医工連携組織として機能する21世紀COEの拠点メンバーによる学部1年生や大学院1年生対象の講義について内容と学生の参加状況をご報告され、医工連携・再生医療に対する学生の関心と期待の高さをご説明下さいました。また、工学部と医学部との医工連携による再生医療研究についてもご紹介いただきました。医学部附属病院未来医療センター 澤 芳樹 副センター長は、「未来医療センターup to date」というタイトルで、同センターで行われているトランスレーショナルリサーチと産学連携、医工連携活動の状況をご紹介いただきました。

 第二部では、大学院医学系研究科器官制御外科学 吉川秀樹 教授が「整形外科領域の医工連携研究とその実用化」についてご講演されました。産学連携・医工連携研究により開発された新規人工骨や3次元アニメーションによる関節動態解析など、すでに実用化されている研究成果についてご紹介いただきました。また、名古屋市立大学大学院芸術工学研究科 教授、大阪大学大学院工学研究科フロンティア研究機構 特任教授 川崎和男先生が「メディカルサイエンスデザイン」についてご講演されました。医療機器や人工臓器、バイオマテリアルをデザインの面から考える「デザイン医工学」という新しいコンセプトをご提案され、人工臓器設計におけるデザインの重要性について分かりやすくご説明いただきました。
最後に、本シンポジウム開催にご尽力いただきました未来医療シンポジウム事務局の皆様に感謝の意を記します。




未来医療センター見学の様子


講演に聴き入る参加者


川崎和男先生のご講演
各イベント、演者のみ表記。挨拶、座長、世話人は表記省略させていただいております。
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